小鹿田(おんた)焼
所在地
窯は福岡県との県境に近い大分県日田市の最北部、日田市源栄町皿山に所在します。
公共交通機関でのアクセスは、JR日田彦山線(ひたひこさんせん)の筑前岩屋駅(福岡県東峰村)からは直線距離で東へ約3kmですが、県境山越えですので手段がかなり限られます。したがって、JR久大本線の日田駅から日田バス株式会社の小鹿田線「皿山」行きが便利だと思います。マイカーの場合はカーナビで最適なコースを選択ですが、スピードは法定速度を守り、特に注意して走りましょう。
歴史
江戸時代、日田市は豊後国の天領(幕府直轄領)と森藩に支配が分かれていました。
宝永2年(1705)の江戸時代中期に、筑前国福岡藩の中野焼(現在は、福岡県東峰村の小石原焼)から陶工が入り窯が開かれ、日常雑器が焼かれます。
登窯 |
特徴
飛び鉋(とびかんな)と打刷毛目(うちはけめ)に代表される蹴轆轤(けろくろ)での技法があります。
釉薬は生掛けが基本となっています。
大浦川の水力で、原土(陶土)を唐臼(からうす)によって粉砕します。
大浦川 |
小鹿田の里を訪れたときに暫くすると、その音が「コンッ」と山に響き渡るのを聞きました。現代社会ではなかなか聞くことが出来ない貴重な音です。
唐臼 |
10軒の家族単位の窯元が全工程を手作業で行っており、男性一人が窯を伝承する習慣が残されています。
窯元 |
底部の小鹿田銘 |
平成13年の秋に愛知県豊田市の「豊田市民芸館」を訪れた時、偶然「第12回特別展 小鹿田焼-ONTAYAKI-」が開催されていました。
豊田市といえば「トヨタ」のお膝元で、自動車関連の産業によって南米から働きに来ている方々が多いことから、カラオケボックスではスペイン語やポルトガル語の歌が充実していました。
さて、特別展では「小鹿田古陶館」「小鹿田焼同業組合」「日本民藝館」と豊田市民芸館の合わせて114点の展示があり、古くは江戸時代の物、昭和29年(1954)バナード・リーチによる制作の鹿文大皿など、見ごたえたっぷりでした。
・国重要無形文化財(平成7年指定)
・残したい日本の音風景百選「小鹿田皿山の唐臼」(環境省認定)
・重要文化的景観「小鹿田焼の里」(文化庁選定。全国で50件。)
参考文献 : 豊田市民芸館 1999『第12回特別展 小鹿田焼』, 豊田市民芸館
: 成美堂出版編集部 2004『やきものの事典』, 成美堂出版
参考H.P. : 一般社団法人 日田市観光協会、日田市
管理 : Masa
管理 : Masa