2017年4月6日木曜日

タラノメ

タラノメとタラノキについて

春の山菜「タラノメ」は、ウコギ科の「タラノキ」の新芽の呼び名です。
タラノキの芽なら「タラノキノメ」だと思うのですが、ご存じのとおり一般的にタラノキの芽自体を指す時には「タラノメ」ですね。
これは、タラノキのことを省略して「タラ」と呼ぶことから「タラノメ」になったと思われます。しかし個人的には、「タラノキ」は「ノ」が付くことによって「タラの木」として意識され(連体修飾語)、その木の芽である扱いによって「タラノ芽」となったのではないかとも思っています。

タラノメを収穫するときは頂部の芽だけにします。2番目以降の脇芽は成長のために残します。以前、山菜取りの人から、2番目の芽までは収穫しても大丈夫というお話を聞いたことがありますが、3番目の芽が出ていない場合はもちろん駄目ですし、保険のために大目に芽は残しておいたほうが良いと考えます。
タラノメは手で芽の根元を摘まんで、横に倒すようにしてポキッと折り取れば簡単に取れます。オダラ(以下参照)採取は軍手などの厚めの手袋が必需品ですよ。

タラノメは山菜の王様と言われるほどで、カラッと揚げた薄い衣の天ぷらでの食味が上等ですね。
生食はいただけません。以前、ちょっとだけ試しに葉をかじってみたのですが、苦みがあって美味くありませんでした。
胡麻和えなどの和え物は大人向けの味ですかね。こちらも苦味が残ります。

タラノメ(メダラ)。4日前に撮影。
タラノメ(メダラ)。4日前に撮影。

 タラノキは東北地方などの方言で「タランボ」とも呼びます。私が子供の頃に南東北地方を訪れた際にその呼び名を聞いたのですが、現在はタランボと聞かないのでほとんど使われていないと思われます。現在は私が大人で土地の者ではないから、私に対して方言名を使わないのかもしれませんが。

タラノキの種類

タラノキには種類がありまして、大きくは2種に分かれます。
幹にトゲが有る「男ダラ(オダラ)」と、トゲが少ないあるいは無い「女ダラ(メダラ)」です。
オダラのほうは、山林に通常生えているので「タラノキ」です。
メダラはあまり自然に生えていないので貴重種です。栽培種やホームセンターなどで販売されている苗木のほとんどはメダラです。メダラは南東北地方の方言名で「モチタラ」とも呼ばれています。新芽はモチっとしていて、オダラの新芽に比べてだいぶ滑らかな手触りだからでしょう。
木は成長するものだと高さおよそ3m、それを超えておよそ4mにもなる木があります。太さは根元で10cmほど。成長の様子は以下に記載しています。



拙宅の庭でのタラノメ・タラノキ

8年くらい前にホームセンターで購入して庭に植えたメダラの苗木2本は、その後どんどん成長していきました。
1年目は成長させるために芽を取らずに、2年目からは先端の新芽だけを収穫して脇芽を成長させています。そして3年目には、地下茎から芽が出てタラノキが増えていきました。その増え方がすさまじく、あちらこちらから出てきて、数メートルも元の木から離れた砕石敷きの通路にまで出てきていました。
葉は互生(互い違いに出てくる)です。その葉のつくりは一つ一つが楕円形で小さいけれど、葉1枚は大きくて(全長最大約1m、幅約60cm)横に広がって邪魔になります。新しい葉が出て落ち着くと、下の葉を切り取っていきました。
晩秋には葉が黄色くなって「ボトッ」と落葉します。
大きな木になると枝分かれもしていきます。
4年目くらいには白い花が咲いて黒い実もつけて、その実が自然にこぼれた植木鉢からもひょっこり若木が出てきています。
この白い花が咲いた後は、蜜のような粘着性がある液が付近に垂れますので、汚したくないよなものは花の近くに置かないことです。
そして実をつけた翌々年、新芽を出すことなく枯れてしまいました。寿命ですね。しかし、数多くの子孫が生きています。

オダラもあります。こちらは借りている畑の地主さんの林に生えていたものです。開発により林が消滅するので、その際に移植しました。とても数多く生えていましたが、すでにメダラがあるので数本だけの移植です。こちらのほうは、半分ほどしか根付きませんでした。土を抱え込まないような根ですので、木を下手に掘り上げると根だけになってしまいます。移植する際には土ごと掘り取らないと、移植先で根が付かない可能性が高くなります。掘り上げがうまくいかなかった場合は、移植後だけ限定で水分量を大目にすると良いです。これは、「根挿し」で増やす方法からも水分量が重要なのが分かります。根を土に挿した後は発芽するまで水分を絶やさないのです。このことからも根付くまでは水分量は大目に必要です。
しかし、乾燥を好むタラノキです。地下水が多く通る場所では雨が多かった年に枯れましたので、根腐れを起こしたと思います。水分量過多には注意しましょう。

さて、移植したタラノキのうち1本が実をつけ大木になりましたが、昨年枯れてしまいました。寿命でしょう。
こちらは地下茎・実で子孫はほとんど増えていません。
オダラは葉にまでトゲがあるので注意が必要です。葉っぱだからといって油断して手を触れたら、「痛っ!」となります。気分を害する痛さですよ。


タラノキのカミキリムシによる被害

以上これら最盛期には、大中小40本以上のタラノキがありましたが、昨年にカミキリムシの被害に会い、多くが枯れてしましました。

天候にもよるのでしょう、中くらいの木に小さな種類のカミキリムシの幼虫が多く発生し、木の内部を喰い荒らしてしまったのです。被害があった木にはおがくず状の木屑が付着しますので、その時点であきらめます。駆除する薬剤も売っているのですが、自然に任せました。

ですので、今年の収穫量は過去最低になってしまって残念です。


タラノメのテンプラ

昨晩は少しのタラノメを天ぷらにして、美味しくいただくことが出来ました。

芽が開いて葉っぱの状態になっていても、見た目で柔らかそう、触っても柔らかいならタラノメと同様に天ぷらでいただけます。


タラノキの購入の検討

今の時期、ホームセンターなどではタラノキ栽培用に、小さ目のビニール袋に入ったタラノキの根が販売されています。

カミキリムシの被害の状況を見ながら、苗木を再び購入するなど、今後の展開をどうしようか考えます。








追記:2019年3月21日

数個のタラノメが収穫出来ました。しかしどれも小さいもの。カミキリムシの被害で大きく育たないし、枯れたタラノ木が多数。
やはり苗木の購入をしようっと。







管理者 : Masa

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